マッチングアプリでは多くの方が真剣に出会いを探していますが、中には「儲けよう」と思ってビジネスや宗教に勧誘してくるアカウントが存在します。
ご自身がターゲットになってしまわないよう、まずはセキュリティ体制のしっかりとしたアプリを選び、その上で自衛のためにも勧誘業者について知っておきましょう。
勧誘の手口や対処法についてご紹介していきます。
目次
マッチングアプリの勧誘とは

マッチングアプリにおける勧誘業者とは、出会いを目的とした男性・または女性を装って、自身のビジネスなどで利益を得るための勧誘行為をするアカウントを指します。
もし「この人はもしかして勧誘ではないか」と感じた場合は、通報したりブロックしたりと自衛をして下さい。
なお勧誘行為は、下記のように多くのマッチングアプリの利用規約で禁止されています。
22.他社運営サイトへの勧誘を目的とした会員登録行為、または、会員になりすましての勧誘行為等の営業妨害行為。
出典:ENSPORTS利用規約
勧誘行為への対策として、多くのマッチングアプリでは、独自の監視体制を敷いています。
例えばENSPORTSでは、24時間365日のサポート監視、公的書類による本人確認の実施、悪質ユーザーへの警告・退会措置などの対処を取り入れています。
多くのアプリは疑わしいアカウントを登録時に弾けるよう工夫を凝らしており、仮に勧誘目的のアカウントが登録されてしまった場合でも、速やかに発見して排除できる体制を整えています。
マッチングアプリで勧誘はよくあること?

SNSなどでマッチングアプリについて情報収集をしていると「マッチングアプリは勧誘だらけ」「登録しても勧誘しかされなかった」という投稿を目にすることがあります。
今回マッチングアプリの利用経験者300名に「アプリ内でビジネス勧誘を受けたことはあるか」とお聞きしたところ、16%の方が「ある」と回答しました。
残念ながら一部の方は、何かしらの勧誘行為にあったことがあります。
セキュリティの目を掻い潜って勧誘行為を行おうとするアカウントは、事実として一定数存在します。自衛するためにも、ある程度「勧誘行為」について知っておいて下さい。
「勧誘」と「サクラ」の違い

ちなみにマッチングアプリの中で「勧誘」と「サクラ」はまったく別の意味で使われます。
- 勧誘…外部の人間によって作成されたアカウント。外部サービスへの誘導が目的
- サクラ…運営側に雇われた人間によるアカウント。ポイントの追加購入等が目的
アプリ運営に通報するときなど、言葉を間違えるとうまく説明が伝わらない可能性もありますから、念の為これらの違いは覚えておいて下さい。
マッチングアプリで勧誘してくる人の特徴と見分け方

手口が巧妙な勧誘アカウントは、通話で世間話をしたり、数回のデートを重ねて信頼関係を構築してから勧誘話を持ち掛けてくるケースもあります。
このような手口を使われてしまうと、途中で勧誘だと気づくことは難しいかもしれません。しかし勧誘アカウントに見られる不自然さや特徴を事前に分かっていれば、勧誘被害の予防には役立つはずです。
もし少しでも違和感を感じた場合は、下記の特徴に該当するものがないか確認してみて下さい。
マッチングアプリで勧誘してくる人の特徴
- プロフィール写真に違和感がある
- お金持ちアピールしている
- プロフィールに特定の言葉が並んでいる
- メッセージや会話の内容が噛み合わない
- すぐにLINE交換やデートを希望してきた
- 第三者を交えて会うことを提案された
- デート場所にチェーン店を指定してきた
※これらの特徴に当てはまるからといって、全てが勧誘業者とは限りません。あくまで勧誘業者の傾向としてお伝えします。
プロフィール写真に違和感がある

勧誘業者によくある写真
- ルックスが良すぎる
- アップされている写真が少ない
- 大人数で集まるパーティーの写真がある
マッチングしたお相手のプロフィール写真に違和感があったら、勧誘を疑って下さい。
芸能人級のルックスを持つお相手とマッチングしたら、勧誘目的のアカウントだった……という事例も報告されています。
ネット上で拾った写真を登録すると削除されるアプリも多いのですが、勧誘グループ内にいる見た目の良い人物がモデルを務め、オリジナル写真を掲載するケースも増えてきています。
もちろん良いルックスの定義は人により様々ですが、少しでも怪しいと感じたら無理に連絡を取る必要はありません。安心してやり取りのできる方とだけ、コミュニケーションをとっていってください。
お金持ちアピールをしている

勧誘業者によくあるアピールの仕方
- お金持ちそうだが収入源が謎
- 自称成功者が集まるイベントに誘ってくる
- 積極的に株やFX、仮想通貨の話をしてくる
プロフィールや投稿で「お金持ち」や「ビジネスの成功」をアピールしている場合、勧誘を疑って下さい。
もちろん純粋に資産力をアピールしている場合もありますが、比較的勧誘アカウントが多い傾向にあります。
例えばネットワークビジネスや投資によって成功したフリをして、「あなたも成功者になれる」とグループへの入会をすすめるような事例が報告されています。
職業が不明確なのにパーティーによく参加している様子があったり、そのようなイベントに「楽しいから一緒にどう?」と誘ったりしてくるようでしたら、まずは疑って下さい。
プロフィール文に特定の言葉が並んでいる

勧誘業者がよく使う言葉
- 職業欄に「自由業」
- 幸福、幸せ
- 自由な生活
- ビジネス、副業
- 不労収入
- ご縁、夢
- 感謝
- 仲間
勧誘目的のアカウントは、プロフィール欄やメッセージで上記のような特定のワードを使う傾向が見られます。
純粋に恋活・婚活を目的としていれなら、文脈的になかなか出てこない言葉ばかりです。
プロフィールやメッセージだけでなく、お相手と初めて会ったときから「夢はある?」「幸せな生活をしたくない?」と啓発的な会話ばかりをしてくるようでしたら、疑ってかかった方が良いかもしれません。
メッセージや会話の内容が噛み合わない

勧誘業者によくあるメッセージ内容
- 定型文のような返信
- こちらの質問に答えてくれない
- 急に投資やセミナーの話題になる
勧誘目的のアカウントは、メッセージやチャットの内容が噛み合わないことが多い傾向にあります。
とにかく多くの人とマッチングして勧誘しようとしているため、一人ひとりへの対応が雑になっていることが原因です。
例えば質問を送っても答えてくれなかったり、聞いてもいないのにお金の話ばかりし始めたり、会話が盛り上がっていないのに会いたがったりしたら要注意。
そもそも会話が噛み合わない場合、もしも勧誘目的ではなかったとしても、二人の相性はあまり良くないかもしれません。
すぐにLINE交換やデートを希望してくる

勧誘業者によくある誘い方
- すごくタイプだから、できるだけ早く会いたいです
- あなたに会えたらもうアプリを使う必要もないし、退会しようと思うんだ。LINE教えてくれない?
- アプリだとできない良い話があるんだけど、他のツールで話さない?
マッチングアプリの中では特に変わった様子は見られなかったお相手が、アプリ外でコミュニケーションをとった途端に勧誘してくる事例も報告されています。
そもそもアプリで連絡を取る人と、実際に会ったりLINEに移行したりする人がまったくの別人である可能性もあります。
さほどやり取りをしていないのに早く会いたがる人や、連絡先交換を急かしてくるような人は、疑ってかかった方が良いかもしれません。
第三者を交えて会うことを提案してくる

勧誘業者が誘ってくるデート場所
- 料理教室
- 異業種交流会
- 仲間内のパーティ
デートの約束をした後に「どうしてもお世話になった方に紹介したい」「友達も一緒でいい?」などと第三者の同席を求められ、行ってみたらイベントやセミナーの勧誘だったというケースも報告されています。
勧誘の人にとってイベントやセミナーは、目的のものに誘導するための一つの手段でしかありません。
このようなお相手の提案に乗ってイベントやセミナーに参加してしまうと、自分以外のほとんどの参加う者が勧誘グループのメンバーで、口々に勧誘を受けて思わず承諾してしまうということもあり得ます。
マッチングアプリでの出会いにも関わらず、いきなり集団への参加や第三者の同席を求めたれたら、まずそれ自体がおかしいと思って下さい。
マッチングアプリの勧誘で使われる手口

代表的な勧誘業者の種類と、その手口をご紹介します。
少しでも以下のような空気を感じたら、連絡を断って運営に通報するなど、自衛できるよう覚えておいて下さい。
マッチングアプリ内で見られる勧誘の種類
- ネットワークビジネスの勧誘
- 投資・副業の勧誘
- 宗教・セミナーへの勧誘
- ダイエットなど美容系の勧誘
ネットワークビジネスの勧誘手口

マッチングアプリ内の勧誘行為の中でも、もっとも多いと言われるのが「ネットワークビジネス」の勧誘です。
ネットワークビジネスとは、商品やサービスを契約して販売組織に加入し、勧誘した人数に応じてインセンティブが得られる仕組みのビジネスです。
別名「マルチレベルマーケティング(MLM)」「ゲーミングアフィリエイト」とも呼ばれています。
ネットワークビジネスの手口
- アプリ内で普通の人を装ってマッチングする
- 出会いを求めている体裁で普通にメッセージを続け、会う約束をする
- デート時、雑談の中で将来の不安をあおり、相手の希望を増幅させる
- 「いい話がある」とビジネス組織に勧誘する
特に最初のデートで「将来の年金が〜」「今の仕事がいつまで〜」など、お金や仕事にまつわる重たい話をしてきた場合は、勧誘を疑って下さい。
投資・副業の勧誘手口

投資や副業ビジネスの勧誘も代表例として挙げられます。
他人に投資させることで自分が利益を受け取れる商法を指しますが、たとえば「元本を保証する」といって投資させたり、「これをやれば簡単に稼げる」と副業に勧誘したりしてくるのが定番の手口になっています。
投資・副業ビジネスの手口
- アプリ内で普通の人を装ってマッチングする
- LINEに誘導する、あるいは普通の人を装ってメッセージを続けて会う約束を取り付ける
- 「秘密の株がある」「マニュアルどおりにやればOK」などと美味しい話をする
- 少額の投資を成功させ、徐々に金額を上げていく
- お金を持ち逃げする
この手口で特に悪質なのが、一時的に少額の投資を成功させて信用を得ようとする場合があることです。
本格的に投資した後にお金を持ち逃げしたり「これを導入するともっと成果が出る」と情報商材や投資ツールなどを売りつけ、金銭を騙し取られるパターンもあります。
マッチングアプリで出会った人から「いいビジネスがある」「簡単に稼げる」などと言われたときは、まずは勧誘を疑って、通報するなど自衛して下さい。
宗教・セミナーへの勧誘手口

そこまで頻繁にみられるものではありませんが、宗教・セミナー勧誘も報告されています。
もちろん好きで信じる分には人それぞれですが、誰かを無理に入信させ、セミナー参加費や祈祷料として高額な費用を請求する悪質なケースも見られます。
宗教・セミナーへの勧誘手口
- 「コンサート」「ボランティア活動」などを口実にセミナーに誘う
- 実態のないことを根拠に健康面や将来の不安をあおる
- 「これで大丈夫」「これさえやれば安心」と高額なセミナー参加費・祈祷料を請求する
マッチングアプリで出会った相手から宗教やセミナーに誘われたら、それがどれだけ魅力的な方だったとしても、勧誘を疑って自衛することをおすすめします。
ダイエットなど美容系の勧誘手口

ドリンクやサプリメントなどを無理に買わせようとする、美容系の勧誘業者も存在します。
女性会員からの信用を得るため、ダイエット講師や美容部員など、ダイエットや美容について詳しそうな職業を装っているのが特徴です。
美容系の勧誘手口
- 「昔はこんなだったけど…」と、ダイエットで痩せた話をする
- ダイエット関係のお店や美容サロン、セミナーに誘う
- サプリメントや酵素ドリンクを買わせる
マッチングしてやり取りをしているうちに、高額なダイエット商品やファスティング用のサプリ、美容スクールなどをおすすめしてきます。
アプリで出会った人が、なぜかサプリメントを紹介してきたなら、まずは勧誘を疑って下さい。
マッチングアプリで勧誘されたときの対処法

マッチングしたお相手が勧誘業者かもしれないと感じた場合や、実際に勧誘されてしまった場合は、そのアプリの運営へと通報して下さい。
ビジネスなどへの勧誘行為は多くのアプリが利用規約で禁止されていますから、それを理由に通報しましょう。
その上で、下記のように毅然とした態度を取るようにして下さい。
メッセージでの勧誘なら、きっぱり断って通報する

やりとりをしている中でビジネスや宗教などに勧誘されたなら、その時点でやりとりを止めて通報しましょう。疑わしい段階でも問題ありません。
そのお相手が本当に勧誘かどうか判断できなかったとしても、何らかの不信感を持ってしまったなら、結果的に良い恋愛にはなかなか発展しないはずです。
「信頼できるな」と感じる人とだけ、やり取りを重ねていって下さい。
会った時に勧誘されたら、返事は保留にして立ち去る

もしデート中に勧誘された場合は、できればハッキリと断り、早急にその場を立ち去ることがベストです。
とはいえ、特に女性の場合は、そこでいきなり断るのも怖いかもしれません。その場合は「一旦家に持ち帰ってゆっくり考えます」と伝え、なるべく早く退散しましょう。
その後は一切の連絡を経ち、運営へと通報して下さい。
マッチングアプリの勧誘は相手にしないのが一番
マッチングアプリにおける勧誘業者は、真剣に恋活や婚活をしている方々の邪魔になる存在です。
ご自身と価値観の合う方でしたら「怪しいな」と思うような行動をしないはずですから、少しでも怪しさを感じたら、どちらにせよ相性は良くない可能性が考えられます。
はっきりとした勧誘行為ではなかったとしても、その素振りが見えたなら、無理に連絡を取る必要はありません。
あくまで信頼できるお相手とだけ、じっくりと仲を深めていって下さい。

記事を書いた人
ENSPORTS magazine編集部